素粒子・放射性同位体の平均寿命
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/17 15:00 UTC 版)
「平均寿命」の記事における「素粒子・放射性同位体の平均寿命」の解説
素粒子や放射性核種などでは、平均寿命はそれらが自然対数の底の逆数まで減少するのにかかる時間のことであり、下に示すように崩壊定数 λ とは逆数の関係にある。また、半減期とは平均寿命に比例関係あり、平均寿命の ln(2) ≈ 0.693 倍が半減期に相当する。 平均寿命を τ 、崩壊定数を λ として示すと次式になる。 τ = ∫ 0 ∞ e − λ t d t {\displaystyle \tau =\int _{0}^{\infty }e^{-{\lambda }t}dt} この定積分は広義積分であるから F ( ∞ ) − F ( 0 ) = lim t → ∞ − 1 λ e − λ × t − ( − 1 λ e − λ × 0 ) {\displaystyle F(\infty )-F(0)=\lim _{t\rightarrow \infty }{-{\frac {1}{\lambda }}}e^{-\lambda \times t}-(-{\frac {1}{\lambda }}e^{-\lambda \times 0})} これを計算すると 0 + 1 λ = 1 λ = τ {\displaystyle 0+{\frac {1}{\lambda }}={\frac {1}{\lambda }}=\tau } と平均寿命との関係が得られた。あるいは半減期の導出同様、平均寿命が経過すると自然対数の底の逆数にまで減少する関係から 1 e = e − λ × τ {\displaystyle {\frac {1}{e}}=e^{-\lambda \times \tau }} とおいてもこれをτについてとくことによって、まず両辺の自然対数をとり − 1 = − λ × τ {\displaystyle -1=-\lambda \times \tau } ∴ − 1 − λ = 1 λ = τ {\displaystyle \therefore {\frac {-1}{-\lambda }}={\frac {1}{\lambda }}=\tau } のようにして得られる。また半減期 t1/2 は t 1 / 2 = ln ( 2 ) λ ≃ 0.693 λ {\displaystyle t_{1/2}={\frac {\ln(2)}{\lambda }}\simeq {\frac {0.693}{\lambda }}} であるが、これを平均寿命と崩壊定数との関係式と見比べれば、確かに ln(2) 倍していることがわかる。 詳しい式導出は放射壊変の微分方程式も参照せよ。この微分方程式の解の時間に半減期を代入して半減期について解けば、半減期と崩壊定数の関係式が、上でもやったように平均寿命を代入すれば、平均寿命との関係式が得られるわけである。 また、次のような理解の仕方もできる。 少数の長生きする粒子が平均を引き上げるため、平均寿命は半減期より長い。素粒子に限らず、一般に、無記憶な個体の群ではこの関係が成り立つ。
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