等呼の意味
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2014/08/17 08:04 UTC 版)
等韻図上に実際に置かれている字からは、次のように帰納される。 一等・二等は直音(介母 -i- を持たない)、三等と四等は拗音(介母 -i- を持つ)である。 直音の韻のうちには、声母として歯頭音(/ts/ など)・舌頭音(/t/ など)と結合するものと、正歯音(/tʃ/ など)・舌上音(/tʲ/ など)と結合するものがある。前者を一等に、後者を二等に記す。 拗音は原則として三等に記すが、重紐といって口蓋性の強い介母(有坂秀世・河野六郎の説では -i-)と口蓋性の弱い介母(同 -ï-)の区別がある場合、前者を四等に、後者を三等に記す。 舌音については、舌頭音は四等に、舌上音は三等に記す。 歯音については、歯頭音は四等に、正歯音のうち章母(/tɕ/)などは三等に、荘母(/tʃ/)などは二等にはみ出して記す。このため、歯音の二等に書かれている字が直音なのか拗音なのかは図を見ただけではわからない。 喩母は実際には云母(/ɦ/)と羊母(/j/)の2つの異なる声母だが、図の上では云母を三等、羊母を四等に記す。 幽韻は四等に記す。 以上のように、等位の決定には声母・介母・主母音が複雑に関係し、混沌としている。等韻図の作者がなぜこのように四段に分けたかは明らかでないが、十六摂のそれぞれを開合で分けた図を作った場合、等韻図を作った人の音韻体系では四等に分けることで1枚にすべての音を収めることができたためではないかと考えられる。
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