第1回極東選手権競技大会の陸上競技
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第1回極東選手権競技大会の陸上競技(第1かいきょくとうせんしゅけんきょうぎたいかいのりくじょうきょうぎ)では、1913年にフィリピン、マニラで開催された、第1回極東選手権競技大会の陸上競技の入賞者について記す。
同大会の陸上競技は、17種目が行われた。
大日本体育協会は参加に消極的であり選手を派遣しなかった[1]。日本からは明大野球チームと大阪毎日新聞社が選んだ田舎片善次(愛知一中)と井上輝二(所属不明、神戸の学生[注釈 1])の2人が参加した[1]。
田舎片善次は、日比野寛(当時愛知一中の校長であり、のちにマラソン王と呼ばれる)の薫陶を経て大阪毎日新聞社主催の大阪箕面間クロスカントリーに優勝したため選出された[1]。井上輝二は、4年前の18歳の時に神戸で5マイルに27分0秒の新記録を出していたため選出された[1][注釈 1]。
2人は5マイルロードレースに出場し、ワンツーフィニッシュを飾った[1]。田舎片善次は1マイル競争でも1位となった[1]。
競技結果
| 種目 | 金 | 銀 | 銅 | |||
|---|---|---|---|---|---|---|
| 100ヤード | 10.8 | ??? | ??? | |||
| 200ヤード直線 | 23.6 | ??? | ??? | |||
| 440ヤード | 56.2 | ??? | ??? | |||
| 880ヤード | 2:16.2 | ??? | ??? | |||
| 1マイル | 5:05.2 | ??? | ??? | |||
| 5マイル(ロード) | 29:42 | 32:45 | ??? | |||
| 120ヤードハードル | 18.0 | 2チームのみゴールした | ||||
| 220ヤードハードル直線 | 28.8 | ??? | ??? | |||
| 走高跳 | 1.66 m | ??? m | 1.62 m | |||
| 棒高跳 | 3.22 m | ??? m | ??? m | |||
| 走幅跳 | 6.07 m | ??? m | ??? m | |||
| 砲丸投 | 10.76 m | ??? m | ??? m | |||
| 円盤投 | 28.28 m | ??? m | ??? m | |||
| 五種競技 | 266 pts | 262 pts | 249 pts | |||
| 十種競技 | 598 pts | 555 pts | 488 pts | |||
| 4×220ヤードリレー | 1:38.8 | ??? | ??? | |||
| 4×400ヤードリレー | 3:50.0 | ??? | 2チームのみゴールした | |||
各国メダル数
* 開催国/地域 (フィリピン)
| 順位 | 国/地域 | 金 | 銀 | 銅 | 計 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 11 | 7 | 8 | 26 | |
| 2 | 4 | 9 | 6 | 19 | |
| 3 | 2 | 1 | 1 | 4 | |
| 計 (国/地域数: 3) | 17 | 17 | 15 | 49 | |
脚注
- ^ a b 井上輝二は大阪毎日新聞社に入り[2]、台北支局長[2]、神戸支局長、連絡部長を歴任した[3]。『人事興信録』では1889年(明治22年)生まれで1912年(大正元年)に大阪毎日新聞に入社していたとあり[3]、これが事実であれば1913年当時は23 - 24歳だったことになる(『日本陸上競技連盟七十年史』の「4年前に18歳」とは一致しない。1889年生まれなら1909年には19 - 20歳)。弓館小鰐『スポーツ人国記』(ポプラ書房、1934年)には「当時彼は神戸で苦学し」と記されている[4]。大阪毎日新聞で販売部長や専務を務めた鹿島吉次の著書『新聞経営苦闘の三十年』(新聞之世界社、1954年)には当時の大阪毎日新聞はスポーツ大会を開いてその勝者を記者として採用し、井上もその一人だったとある[5]。
出典
- ^ a b c d e f 日本陸上競技連盟七十年史編集委員会 編『日本陸上競技連盟七十年史』財団法人日本陸上競技連盟、1995年、352頁。
- ^ a b 大阪毎日新聞社 編『大阪毎日新聞五十年』大阪毎日新聞社、1932年、396-399頁。(リンク先は国立国会図書館デジタルコレクション)
- ^ a b 人事興信所 編『人事興信録 第12版(昭和14年) 上』人事興信所、1939年、イ29頁。(リンク先は国立国会図書館デジタルコレクション)
- ^ 弓館小鰐『スポーツ人国記』ポプラ書房、1934年6月15日、36頁。(リンク先は国立国会図書館デジタルコレクション)
- ^ 鹿島吉次『新聞経営苦闘の三十年』新聞之世界社、1954年4月1日、91頁。(リンク先は国立国会図書館デジタルコレクション)
参考文献
- Far Eastern Championships. GBR Athletics. Retrieved on 2014-12-18.
- 日本陸上競技連盟七十年史編集委員会 編『日本陸上競技連盟七十年史』財団法人日本陸上競技連盟、1995年、1105頁。
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