第二 隠喩=概念の、あるいはコンスタティブなレベル((3)への抵抗)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/18 15:08 UTC 版)
「存在論的、郵便的―ジャック・デリダについて」の記事における「第二 隠喩=概念の、あるいはコンスタティブなレベル((3)への抵抗)」の解説
否定神学システムはそこに宿る決定不可能性、システムの限界を開示しつつかつ同時に縫合するある特権的対象(呼び声、ファルス、貨幣、代補)の運動により初めて安定する。その対象は『絵葉書』を参照し「超越論的シニフィアン」と名付けられる。デリダはこの超越論的シニフィアンの循環=回帰構造そのものが内破される可能性を示唆する。特に「郵便」「幽霊」といった語の再検討により、超越論的シニフィアンがシステムの限界を開示しつつもそれを縫合せず、しかもそのように放置された限界がシステムの内部に複数に漂っているという認識が示される。システム全体を脱構築した残余として得られる単数的「外傷」から、システムの細部、シニフイアンの送付一回一回の微細なずれ(誤配)から生じる複数的「幽霊」へ。そこではシステム全体を想定することができない以上、もはやゲーデル問題も起こらない。
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