第二章 極彩色を越えて
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/01/12 21:33 UTC 版)
「彼女の色に届くまで」の記事における「第二章 極彩色を越えて」の解説
高校3年になった礼は、都内の私立美術館である「金山記念美術館」の毎年恒例の企画「真贋展」に、日本洋画壇の大御所・大薗菊子の「エアリアル」を緑画廊から出展するために、準備の手伝いに来ていた。企画展示を行う第七展示室には真作と贋作が計10組20枚が展示され、正面にはそのうちの大作4組8枚が展示されていた。ところが、礼が第七展示室に入ろうとしたところ、タイルの床一面に水色のペンキがぶちまけられていた。学芸員や関係者を呼び集めたところ、床に黒いビニール袋が置かれてあり、中にはファンシーラットと「只今全館でネズミ放流中」と書かれたメモが入っていた。皆で手分けして館内のネズミを探し回り、第七展示室に戻ると、入り口から7メートルほどむこうの正面に展示されていた「エアリアル」の真作だけがぼろぼろに破られていた。しかし、床は一面ペンキの海で、痕跡を残さずに正面の絵を傷つけることは不可能だった。この謎を、ジャクソン・ポロックの「カット・アウト」をヒントに千坂が解き明かし、言葉足らずの彼女の推理を礼が解説する。
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