第一種チェビシェフフィルタ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/04 06:35 UTC 版)
「チェビシェフフィルタ」の記事における「第一種チェビシェフフィルタ」の解説
四次第一種チェビシェフ・ローパス・フィルタ( ϵ = 1 {\displaystyle \epsilon =1} )の周波数応答 これは、最も一般的なチェビシェフフィルタである。利得(振幅)応答を角周波数 ω {\displaystyle \omega } の関数としたとき、n次のローパスフィルタの特性は以下のようになる。 G n ( ω ) = | H n ( j ω ) | = 1 1 + ϵ 2 T n 2 ( ω ω 0 ) {\displaystyle G_{n}(\omega )=\left|H_{n}(j\omega )\right|={\frac {1}{\sqrt {1+\epsilon ^{2}T_{n}^{2}\left({\frac {\omega }{\omega _{0}}}\right)}}}} ここで ϵ {\displaystyle \epsilon } はリップル係数、 ω 0 {\displaystyle \omega _{0}} は遮断周波数、 T n ( ) {\displaystyle T_{n}()} は n次のチェビシェフ多項式である。 通過帯域は等リップル性を示し、そのリップルはリップル係数 ϵ {\displaystyle \epsilon } で決定される。通過帯域ではチェビシェフ多項式は -1 から 1 の範囲で変化し、チェビシェフ多項式の2乗は 0 から 1 の範囲で変化するので、フィルタの利得は最大 G=1 から最小 G = 1 / 1 + ϵ 2 {\displaystyle G=1/{\sqrt {1+\epsilon ^{2}}}} の間で変化する。遮断周波数 ω 0 {\displaystyle \omega _{0}} での利得は 1 / 1 + ϵ 2 {\displaystyle 1/{\sqrt {1+\epsilon ^{2}}}} だが、そこから落ち込み続けて除去帯域となる。この様子を示したのが右図である。ただし、遮断周波数は一般に −3dBとなる周波数だが、チェビシェフフィルタでは成り立たない。 チェビシェフフィルタの次数は、アナログ回路でフィルタを実装したときのリアクタンス部品(コイルなど)の個数に等しい。 リップルはdBで与えられることが多い。 リップル(dB) = 20 log 10 1 1 + ϵ 2 {\displaystyle 20\log _{10}{\frac {1}{\sqrt {1+\epsilon ^{2}}}}} したがって、 ϵ = 1 {\displaystyle \epsilon =1} のときリップルは 3dB となる。 複素平面の j ω {\displaystyle j\omega } 軸上の零点を許せば、除去帯域のリップルが生じる代わりにロールオフがより急勾配になる。しかしこれは除去が不完全になることを意味する。そのようなフィルタを楕円フィルタと呼ぶ。
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