競争相手としての圏論
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/01/09 22:47 UTC 版)
「数学における統一理論」の記事における「競争相手としての圏論」の解説
圏論は20世紀後半に興った、数学を統一する理論である。この点において、圏論は集合論を代替するものであり、かつ補完するものである。「圏論的」な観点からの重要な主題は、数学というものはある種の対象(リー群、バナッハ空間、…)のみならず、それら対象の間の射構造を保つ写像をも要求するということである。 特に、数学的対象に対してそれが「同一」であると考えられるというのがどういう意味であるか(例えば、正三角形はすべて「同一」であるか、あるいはその大きさを問題にするかといったようなこと)を、これにより厳密に明らかにすることができる。マクレーンは、(数学の様々な分野で生じるという)十分な「遍在性」を備えた任意の概念は、それ単独で取り上げてそれ自身を研究するに値するということを提案した。圏論はほぼ確実に現在のほかのどの取り組みよりもこの目的によく適合する。所謂「アブストラクト・ナンセンス」に頼る不利益は、具体的な問題において起源からの繋がりを失うという意味における、ある種の個性の無さおよび抽象性である。にもかかわらず、圏論的手法は(D-加群から範疇論理まで)多数の領域に亘り着実に受け入れられている。
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