秦本紀の大費
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/27 05:56 UTC 版)
『史記』秦本紀によれば、帝顓頊の孫娘である女脩と言う者が玄鳥の卵を飲んで身ごもり、大業(中国語版)を生んだ。大業は少典の女の女華を妻とし、大費(費)を生んだ。費は禹の治水をよく助け、舜が禹に玄圭という赤黒い圭(四角錐のような玉)を賜ったとき、「私でなくよく費が助けてくれたのです」と言上した。そこで舜は皁斿(黒い旗)を賜った。その後もよく舜を助けた。舜は姚姓の女を与え妻とさせ、鳥獣を司らせた。鳥獣は皆順服した。この時費は嬴(えい)姓を授かった。 その子孫らは殷に仕え諸侯となり、周の穆王の頃、造父が馬をよく御するので寵幸された。造父は四疋の珍しい色の馬を献したり御者として乱が起こった地に馬を馳せ、乱を鎮めた。そこで穆王は趙城に造父を封じた。ここから造父の一族は趙氏となった。戦国の趙はこの子孫である。 また、それとは別系に非子という者がいた。非子の一族も造父の功により趙氏を名乗っていた。この時、非子の異母弟の成が嫡嗣で、その母は西戎の女だった。周の孝王は馬をよく馴らし功のある非子を嫡嗣にしてやりたかったが、そうすれば戎がどう出るか分からない。そこで諸侯に付属する小国(これを附庸と言う)、秦邑に封じた。非子は秦嬴と号した。その後その子孫の襄公の時になって周が犬戎に侵された。この時よく周を助け、爵位を賜った。これが始皇帝の家系の直系であるとする。 『史記索隠』によればこの大費は『尚書』や『漢書』にいう伯益と同一人物である。
※この「秦本紀の大費」の解説は、「益 (中国神話)」の解説の一部です。
「秦本紀の大費」を含む「益 (中国神話)」の記事については、「益 (中国神話)」の概要を参照ください。
- 秦本紀の大費のページへのリンク