禅画と墨蹟
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/01 17:35 UTC 版)
白隠はまた、広く民衆への布教に務め、その過程で禅の教えを表した絵を数多く描いている。その総数は定かではないが、1万点かそれ以上とも言われる。絵の製作年がわかる最も早い作は享保4年(1719年)の「達磨図」(個人蔵)で、縦220cm以上の大作「達磨図」は寛延4年(1751年)の作である(豊橋市正宗寺)。代表作の一つ「大燈国師像」(永青文庫蔵)では、紙面には下書きや描き直しの跡が残り、このような拙によって巧を超えていった技法は、「後の曾我蕭白などに強い感銘を与えた」と想像されている。書家の石川九楊は、白隠の墨蹟について「書法の失調」を捉え、「『書でなくなることによって書である』という逆説によって成り立っている書ならざる書」と評している。白隠の書画の代表的コレクターに、細川護立と山本発次郎がおり、前者のコレクションは永青文庫に収められ、後者は大阪中之島美術館に寄贈されている。
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