神とかかし
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/10 00:29 UTC 版)
かかしは、民間習俗の中では田の神の依代(山の神の権現とも言われる)であり、霊を祓う効用が期待されていた。というのも、鳥獣害には悪い霊が関係していると考えられていたためである。人形としてのかかしは、神の依り代として呪術的な需要から形成されていったものではないかとも推察できる。蓑や笠を着けていることは、神や異人などの他界からの来訪者であることを示している。 見かけだけは立派だが、ただ突っ立っているだけで何もしない(=無能な)人物のことをかかしと評することがある。確かにかかしは物質的には立っているだけあり、積極的に鳥獣を駆逐することはしない。だがしかし農耕社会の構造からすると、農作物(生計の手段)を守る役割を与えられたかかしは、間接的には共同体の保護者であったと言えよう。 古事記においては久延毘古(くえびこ)という名の神=かかしであるという。彼は知恵者であり、歩く力を持っていなかったとも言われる。立っている神 → 立っている人形、との関連は指摘するまでもないとも考えられるが、上記の通り語源との関係で、明確ではない。
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