磁気回路
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/11 17:03 UTC 版)
例えば、電磁石のように鉄芯にコイルを巻いて電流を流すことで磁束を発生させることを考えたとき、磁束の通る磁路を磁気回路という右図(a))。 磁束 ϕ {\displaystyle \phi } を発生させる力を起磁力 F {\displaystyle {\mathcal {F}}} とよび、コイルの巻数 N {\displaystyle N} とコイルに流す電流 i {\displaystyle i} から F = N i {\displaystyle {\mathcal {F}}=Ni} となる。また、磁路の平均長を l {\displaystyle {\mathit {l}}} 、断面積を S {\displaystyle S} とし、透磁率を μ {\displaystyle \mu } としたとき、磁気抵抗(リラクタンス) R {\displaystyle {\mathcal {R}}} は、 R = l μ S {\displaystyle {\mathcal {R}}={\frac {\mathit {l}}{\mu S}}} である。磁束 ϕ {\displaystyle \phi } は起磁力 F {\displaystyle {\mathcal {F}}} に比例し、磁気抵抗 R {\displaystyle {\mathcal {R}}} に反比例するので、これらのの関係は、 ϕ = F R {\displaystyle \phi ={\frac {\mathcal {F}}{\mathcal {R}}}} となり、右図(b)のような回路に置き換えることができる。また、この式は、電気回路における電流 i {\displaystyle i} 、電圧 E {\displaystyle E} 、電気抵抗 R {\displaystyle R} との関係(オームの法則) i = E R {\displaystyle i={\frac {E}{R}}} と同形式(右図(c))であり { ϕ ⇔ i F ⇔ E R ⇔ R {\displaystyle {\begin{cases}\phi \Leftrightarrow i\\{\mathcal {F}}\Leftrightarrow E\\{\mathcal {R}}\Leftrightarrow R\end{cases}}} という対応になるので、磁気回路におけるオームの法則とも呼ばれる。 また、磁気回路におけるオームの法則と同様に、磁気回路におけるキルヒホッフの法則も成立する。 ただし、電気回路の場合は電気抵抗は線形素子として扱えるが、磁気回路の場合は透磁率が磁束の大きさによって変化するため非線形となるので注意を要する。
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