研究誌『鉄斎研究』
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『鉄斎研究』は富岡鉄斎の作品に付された賛文の読解・研究を目的とした研究誌。昭和44年(1969年)から平成8年(1996年)まで、途中休刊を挟みながら第71号まで刊行され、鉄斎を研究する上で欠かすことの出来ない資料である。 鉄斎が「自分の画を見るなら先ず賛を読んで欲しい」と語っていたことはよく知られているが、その賛文を読みこなすのは極めて難事である。鉄斎の書体は癖が強く、年とともに変化し、古字・篆字・隷字・奇字・俗字などを自由に織り交ぜる上に、脱字が散見される。そのため必ず原典を確認しなければいけないが、その原典も稀覯本が多く入手が困難な上、入手できても今度はそれを正しく読みこなすのも難しい。それでも碩学や関係者の協力を得て、該博な知識を持つ鉄斎の讃文の元となる典籍を丹念に調べ上げ、掲載された作品数は1900点になる。その中には若干の贋作が含まれるものの、それも研究という視点からすれば十分参考になるであろう。
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