石灰硫黄合剤とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 同じ種類の言葉 > 産業 > 農業 > 農薬 > 石灰硫黄合剤の意味・解説 

せっかいいおう‐ごうざい〔セキクワイいわうガフザイ〕【石灰硫黄合剤】

読み方:せっかいいおうごうざい

農薬の一。有効主成分多硫化カルシウムで、ハダニ・カイガラムシやうどんこ病・銹(さび)病の殺虫殺菌、およびミカン着色促進用いられる


せっかいいおうごうざい【石灰硫黄合剤】

昔から使われている農薬一つで、殺菌・殺ダニ効果がある。必要に応じ倍率薄め、筆などで塗布、または噴霧器散布する。冬は樹木休眠期なので20倍、それ以外1000程度薄めるのが適当と言われるジンシャリ化粧もこれで行なう


石灰硫黄合剤

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/11/12 03:26 UTC 版)

石灰硫黄合剤(せっかいいおうごうざい、Lime sulfur)とは、殺虫作用、殺菌作用を持つ農薬の一種。通常、赤褐色の強い硫黄臭(腐った玉子や硫黄を含む温泉の臭気)のする原液を希釈して利用する。

成分

多硫化カルシウム(CaSx)が主成分。その中の五硫化カルシウム(CaS5)が効果の中心であるとされる。

適用

注意事項

一般的な農薬とやや性質が異なり、次のような点に注意を要する。

  • 強アルカリ性のため皮膚を侵す。皮膚に付着した場合は直ちに水でよく洗い落とす。眼に入った場合は、直ちによく水洗した後、眼科を受診するべきである。濃度にもよるが適切な処置をしないと、最悪、化学熱傷のため植皮術が必要となったり、失明に至ることもある。
  • 強アルカリ性のため、本剤を扱えない噴霧機がある。噴霧機の説明書を確認する必要がある。
  • 相当の悪臭がするので、散布時間・散布場所に配慮が必要。
  • 薬害が出やすいので、説明書をよく読み、希釈濃度や対象植物等を守ること。特に高温時の散布は薬害が出やすい。
  • 酸性物質と混合すると、有毒ガスの硫化水素を発生するので、非常に危険である。

古くからある農薬で、正しく使う限り、安全性は高い。

ヒトが経口摂取した場合

自殺目的などで、ヒトが経口摂取した場合、腹痛、下痢、消化管の潰瘍などの症状を引き起こす。

また、石灰硫黄合剤は胃酸により硫化水素と硫黄に分解される。腸内においては細菌の働きにより硫黄から硫化水素が生じる。硫化水素中毒となると意識レベル低下、呼吸抑制などとなる。至急、医療機関において適切な処置を行わないと最悪の場合、死亡する。

歴史

1851年、フランスのベルサイユ宮殿の主任庭師だったGrisonによって開発された。硫黄は真菌に取り込まれると硫化水素に還元される。硫化水素はほとんどの細胞タンパク質にとって毒性がある。硫黄は植物にとっても有害であるため(薬害)、水酸化カルシウムと混合することで毒性を弱めることが行われた[1]

関連項目

  1. ^ Nebraska IANR Nebraska Extension Nebraska Extension in Lancaster County Lime-sulfur: A fungicide (lime-sulfur)



石灰硫黄合剤と同じ種類の言葉


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「石灰硫黄合剤」の関連用語

石灰硫黄合剤のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



石灰硫黄合剤のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
盆栽用語集盆栽用語集
Copyright 2025, Kindai Shuppan co.,ltd.
近代出版盆栽用語集
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの石灰硫黄合剤 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS