直鎖構造の単糖
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/06 16:09 UTC 版)
一般的な単糖分子の骨格は枝分かれのない炭素鎖である。そのため単糖の鎖状構造といえば直鎖である。この項の中では単に単糖といえば直鎖構造の物を指す。単糖の、置換基に含まれない炭素を除けばすべての炭素はヒドロキシ基を1つだけ持っている。そして炭素を含む置換基はアルデヒド基またはケトン基(下図の太字)であり、このことから直鎖の単糖は2つに分けられる。すなわち、アルデヒド基を含む単糖をアルドースaldose 、ケトン基を持つ単糖をケトースketose と呼ぶ。酸素原子と二重結合でつながっている炭素を末端に持つものをアルドース、内部に持つものをケトースと覚えれば見分けは簡単につく。 アルドースHO-CH2-CHOH-…-CHOH-CHO ケトースHO-CH2-CHOH-…-CHOH-CO-CHOH-…-CHOH-CH2-OH 一般に、(ジヒドロキシアセトンを除く)すべての単糖は1個以上の不斉炭素を持ち、立体異性体を必ず持つ。単糖の不斉炭素にはヒドロキシ基と水素原子を必ず持つので、フィッシャー投影式において両基の位置を入れ替えればそれがエピマーとなる。カルボニル基から順位的に最も離れた不斉炭素を基準炭素というが、それの立体配置によって生じたエピマーを区別するにはDL表記法を用いる。基準炭素の置換基は-H、-OH、-CH2OH、そしてカルボニル基を含んだ炭素鎖-Rである。フィッシャー投影式において、-CH2OHを下、-Rを上に配置したとき、ヒドロキシ基が右に来る場合をD型、左に来る場合をL型と呼ぶ。DまたはLを化合物の名前の接頭辞とすることで、それがD型かL型を示せる。例えば、左のグリセルアルデヒドはD型のD-グリセルアルデヒドであり、エピマーのL-グリセルアルデヒドは-OHと-Hの位置が逆である。
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