直通ブレーキの復権
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/09/08 13:53 UTC 版)
SMEは4両編成以上では後部車の動作について、極端なタイムラグや効きの悪さから実用にならない、という欠点があり、一時は路面電車などの小編成の列車を除いてほとんど使用されなくなっていた。しかし、1920年代にアメリカで電磁同期弁による長大編成に適した制御方法が開発・実用化されると、取扱の簡便さから見直されるようになり、SMEE・HSC電磁直通ブレーキとして再生した。もっとも、これらの電磁直通ブレーキシステムの場合、依然として編成分断時などのフェイルセーフ性に欠けるという、直通ブレーキの欠点は残るため、通常はSME同様に自動空気ブレーキ相当の機能を併設する。 さらに1960年代後半には、日本で開発された電気指令式ブレーキにも応用されたため、制御システムこそ大幅に変化したが、直通空気ブレーキシステムそのものは現在もなお世界に幅広く普及し、列車の安全確保に重要な役割を果たし続けている。 現在、SMEは電磁弁制御を付加することで応答性を向上させ、長編成でも使用が可能になった。このため箱根登山鉄道や高松琴平電鉄では電磁SMEと呼ばれる、SMEEの特徴であるセルフラップ弁を通常の三方弁に置き換えた構成のブレーキを使用している。
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