皇帝ネロ説
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/05 06:31 UTC 版)
自由主義神学の高等批評による聖書学では、ローマ皇帝ネロを指すという説が最も支持を得ている。即ち、皇帝ネロ(Nero Caesar)のギリシア語表記(Νέρων Καίσαρ, Nerōn Kaisar)をヘブライ文字に置き換え(נרון קסר, Nron Ksr)、これを数値化し(ゲマトリア)、その和が「666」になるというもの。ヘブライ文字はギリシア文字のように、それぞれの文字が数値を持っており、これによって数記が可能である。この説は、直前の皇帝崇拝らしき記述とも、意味的に整合する(一説によれば、貨幣経済の比喩ともいわれる)。写本によっては、獣の数字は「666」でなく、「616」と記されているものもある(詳細は後述)。この場合は、ギリシア語風の「ネロン」ではなく、本来のラテン語発音の「ネロ」(נרו קסר Nro Ksr)と発音を正したものと解釈できる。 ネロ説は、19世紀にフランスの宗教史家エルネスト・ルナンが提唱した仮説で、知名度の割に歴史は浅く、その正誤は提唱当時より議論されている。
※この「皇帝ネロ説」の解説は、「獣の数字」の解説の一部です。
「皇帝ネロ説」を含む「獣の数字」の記事については、「獣の数字」の概要を参照ください。
- 皇帝ネロ説のページへのリンク