由来・作用機序
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/14 14:23 UTC 版)
ソトロビマブは、2003年に重症急性呼吸器症候群(Severe Acute Respiratory Syndrome;SARS)より回復した患者から採取した記憶B細胞から初めて単離された親抗体(S309)に由来する。S309抗体は、SARS-Cov-2の宿主細胞への侵入を促進するスパイク(S)糖タンパク質を標的とした中和抗体である。電子顕微鏡および結合アッセイを用いて、S309は、SARS関連コロナウイルス内で高度に保存されているN343糖鎖を含む抗原決定部位(エピトープ)を、アンジオテンシン変換酵素2(ACE2)の結合と競合しない領域で認識する事が示された。このエピトープは、現在懸念されているSARS-CoV-2の亜種で観察された変異とは重ならず、ソトロビマブは、南アフリカで最初に確認されたβ変異株(B.1.351または501Y.V2として知られる)を含むSARS-CoV-2の亜種にin vitroで結合する事が、査読前論文で示されている。 ソトロビマブは、新生児型Fc受容体(英語版)への結合を強化するFc LS変異(M428L/N434S)を有するように設計されており、半減期が延長され、肺への薬物分布濃度が増加すると思われる。 ソトロビマブは、in vitroにおいて、抗体依存性細胞傷害(ADCC)および抗体依存性細胞貪食(ADCP)の2つの抗ウイルス機構による活性を示す。
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