環境への影響と規制
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/10 08:19 UTC 版)
「サンスクリーン剤」の記事における「環境への影響と規制」の解説
日焼け止めに含まれるブチルパラベン、ケイ皮酸エステル、ベンゾフェノン、カンファー誘導体などの成分が引き金となりサンゴの白化を誘発することが確かめられており、これは褐虫藻に有害なウイルスの増殖の誘発により起こるものだという。しかし、サンゴの専門家であるRobert van Woesikによれば、この研究は実際の環境を反映しておらず、実際の環境下では急速に希釈されるためサンゴは白化を起こすほどの濃度にさらされないだろうとしている。 2018年7月、アメリカ合衆国ハワイ州のデービッド・イゲ知事は、オキシベンゾンとメトキシケイ皮酸エチルヘキシル(オクチノキサート)の2種類を含む日焼け止めの販売を2021年から禁止する州法に署名した。11月にはパラオでもサンゴ礁の保護を目的として、有害な化学物質を含んだ日焼け止めの販売を2020年から禁止することが、国家単位としては世界で初めて決まった。 アメリカ国立海洋局(英語版)によれば、流れ落ちた日焼け止め成分が水路に入ることによって、サンゴや藻類に影響があるだけでなく、ウニ、魚類やイルカにも影響する可能性があり、ベンゾフェノン-1、ベンゾフェノン-2 (BP-2)、ベンゾフェノン-3(オキシベンゾン)、ベンゾフェノン-8、OD-PABA、4-メチルベンジリデンカンファー、3-ベンジリデンカンファー、ナノ粒子の二酸化チタンや酸化亜鉛などが海洋生物に有害であるとしている。
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