現在の重症度の特定
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/05 22:56 UTC 版)
「ギャンブル依存症」の記事における「現在の重症度の特定」の解説
DSM-5の基準は「ある12か月」での当てはまりでギャンブル障害を判断するが、同時に現在の重症度の特定を求めており、この合計がほぼ一年有病率にあたる。 軽度の場合は基準の4〜5項目だけを示し、よく当てはまる基準は、通常、「賭博に心を奪われること」(基準A-4)と「失った金の“深追い”」(基準A-6)に関連したものである。 中等度の場合は基準のより多くを示す(すなわち6〜7項目)。 重度の場合は基準のすべて、または9項目のうちのほとんどを示す(すなわち、8〜9項目)。 「賭博のために対人関係や職業上の機会を危険にさらすこと」(基準A-8)、「賭博で失った金を出してくれるように他人に頼むこと」(基準A-9)は調査を行うと当てはまることの少ない基準で、より重度のギャンブル障害の人の中でよく見られる。 マスコミ等でギャンブル障害の事例として紹介されるのは重度、もしくは重度で見られる項目が頻回繰り返されている事例で、その数は「ギャンブル障害の疑い」の1~2割程度となるので、「(軽度以上の)ギャンブル障害の疑い」の数や率を記述し、これとならべて重度のケースを並べ、「(軽度以上の)ギャンブル障害の疑い」=「重度例」であるかのようなミスリードを生みやすい報道や説明の仕方は望ましくない。 一方、こうしたギャンブル障害の重症度が、本当に病的な意味での重症度を示すのか、いまだ確定していない。また、重症度の区分(軽度、中等度、重度の区分)の科学的根拠はほとんど示されていない。これらは、あくまで操作的な基準に過ぎないことに留意が必要である。
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