王オーラヴの訪問
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/05/25 00:59 UTC 版)
ノルウェーの王オーラヴ(Olaf II Haraldsson)がクヌート大王から逃げていた頃のことである。 ある日、オーラヴはこの一家のいる岬にやって来た。 王は、彼らの崇拝について耳にすると、彼らをキリスト教に改宗させたいと考えた。 王は、フィン・アールナソン(英語版)(フィン・アルネソンとも。Finnr Árnason)とソルモーズ・コルブルーナルスカルド(トルモド・コルブルナルスカルドとも。Þormóðr Kolbrúnarskáld)という者だけを連れて、彼らの家へ行った。 王達は全員、灰色の外套を着用し、自分たちの素性を隠した。 王達が家に入ると、暗い中で会った娘から、身元を尋ねられた。 彼らは皆、自分の名前を「グリーム(Grímr。頭巾をかぶった者)だ」と答えた。 女の子はだまされず、「あなたがオーラヴ王なのはわかっているわ」と言った。 そこで王は、彼女にそのことを黙っているように頼んだ。 王達は他の家族とも会った。 その後、彼らは夕食に招かれた。 老婦人が最後にその場に来たが、彼女はヴェルシ(ペニス)を持っていた。 彼女はヴェルシを夫のひざに置き、「女の巨人(モルニル Mörnir)はこの神聖な物を受け入れるかも知れない」と語り、詩を暗唱した。 夫はそれに応じ、同じフレーズを含む詩を暗唱した。 そしてその場の全員が、王がこのフレーズで詩を朗誦するまで続けた。 王はうんざりし、自身の正体を明らかにすると、キリスト教について説教をした。 夫がとても興味を示したのに対し、老婦人は非常に懐疑的な態度であった。 最終的に家族全員が、王に従う聖職者によって洗礼を施されることを承諾した。 彼らはそれ以後ずっとキリスト教徒のままであった。
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