特異性のための設計
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/02 00:52 UTC 版)
「タンパク質設計」の記事における「特異性のための設計」の解説
タンパク質は多数のタンパク質と相互作用する可能性があるため、タンパク質間相互作用の設計には高い特異性が求められる。設計を成功させるには選択的結合剤(selective binder)が必要である。したがって、タンパク質設計アルゴリズムは、オンターゲット結合(またはポジティブデザイン)とオフターゲット結合(またはネガティブデザイン)を区別できなければならない。特異性のための設計の最も顕著な例の一つは、Amy Keatingらによる、20のbZIP(英語版)ファミリーのうち19のbZIPに特異的な結合ペプチドの設計である。これらのペプチドのうち8つは、競合するペプチドよりも意図したパートナーに特異的であった。さらに、ポジティブデザインとネガティブデザインは、Andersonらが新薬に抵抗性を示す薬物標的の活性部位の変異を予測するためにも用いられた。ポジティブデザインは野生型の活性を維持するために、ネガティブデザインは薬物の結合を阻害するために使用された。また、Costas Maranasらが最近行った計算的再設計では、Candida boidinii 由来のキシロースレダクターゼの補因子特異性をNADPHからNADHに実験的に切り替えることが可能であった。
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