熱回路網
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/11 17:03 UTC 版)
熱回路網とは、温度、熱源、熱抵抗、熱容量の関係を回路図としてモデル化したものである。電気回路の場合と同様の計算で解くことが出来る。 単純な例として、2点の温度( T 1 {\displaystyle T_{1}} - T 2 {\displaystyle T_{2}} )間に異なる2種の熱抵抗 R t h 1 {\displaystyle R_{th1}} 、 R t h 2 {\displaystyle R_{th2}} の物質があることを想定する。このとき、2点間に対して直列に層をなしている場合は各熱抵抗を加算したものが合成熱抵抗となり、 R t h = R t h 1 + R t h 2 {\displaystyle R_{th}=R_{th1}+R_{th2}} となる(右図(a))。また、2点間に対して並列に層をなしている場合は、 1 R t h = 1 R t h 1 + 1 R t h 2 {\displaystyle {\frac {1}{R_{th}}}={\frac {1}{R_{th1}}}+{\frac {1}{R_{th2}}}} となる(右図(b))。したがって、 R t h = R t h 1 R t h 2 R t h 1 + R t h 2 {\displaystyle R_{th}={\frac {R_{th1}R_{th2}}{R_{th1}+R_{th2}}}} である。 いずれも、電気回路における抵抗の直列接続、並列接続の場合と同様に計算できる。 熱容量が無視できない過渡状態では、熱抵抗と熱容量を回路として用い、過渡熱インピーダンスと呼ぶ。過渡熱インピーダンスのモデルとしては、ラダー型のCauerモデル(右図(a))、チェーン型のFosterモデル(右図(b))がある。ただし、熱抵抗、熱容量のいずれも材質や形状などが理想状態からずれることが多く、モデリングの合わせ込みが必要となる。
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