熊の実とは? わかりやすく解説

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くま‐の‐み【熊の実】

読み方:くまのみ

スズメダイ科クマノミ属の海水魚全長15センチ。体は楕円形側扁し、暗褐色青白色横帯がある。本州中部以南岩礁にすみ、大形イソギンチャク触手中に潜む習性がある。また、カクレクマノミ・ハマクマノミなどを含むクマノミ属の総称

熊の実の画像

クマノミ

(熊の実 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/04/11 06:42 UTC 版)

クマノミ
分類
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 条鰭綱 Actinopterygii
: スズキ目 Perciformes
: スズメダイ科 Pomacentridae
亜科 : クマノミ亜科 Amphiprioninae
: クマノミ属 Amphiprion
: クマノミ A. clarkii
学名
Amphiprion clarkii Bennett, 1830

クマノミ(隈之魚、熊之実、隈魚、 Amphiprion clarkii)は、クマノミ亜科に属する海水魚の1種。英名には Clark's anemonefish、yellowtail clownfishなどがある[1]

種小名"clarkii"は、魚類学者ベネットが本種を新種として報告する時に、図版を製作した銅版彫師. クラークへ献名したものである[2]。地方名はトンボダイ(和歌山)、ハチマキ、チンチクリ(高知)、ヤハゲ(愛媛)等がある[3][4]

形態

最大で雄は10 cm、雌は15 cm程度まで成長する[5]。体はずんぐりして側扁する。

背鰭は10棘15-16軟条、臀鰭は2棘13-14軟条[6]

体色には地域変異がある。通常は、背側が黒、腹側が橙黄色で、黒い部分は成長とともに拡大する[7]は橙から桃色である。体には2本の白い横縞があり、1本は眼の後方に、もう1本は肛門の上にある。背鰭は橙黄色で、尾柄は白い[8]。尾鰭は三角形に近く、雄は橙色だが雌は白色である[4]。アラビアハタゴイソギンチャク Stichodactyla mertensii に共生するものは腹部まで黒くなる[9]。尾鰭の色は多少淡く、白いこともある[10]。稚魚は橙黄色の体に、白い横縞を持つ[8]

分布

インド太平洋熱帯に広く分布する[10]。成体は深度60m以浅の、礁湖や礁周縁に生息する[7]

生態

クマノミ亜科の中で最も宿主の範囲が広く、次の約10種のイソギンチャクと共生できる[7]

セジロクマノミ

ハナビラクマノミ[11]セジロクマノミ[6]と共同で1個体のイソギンチャクを利用していることが観察されている。

雄性先熟性で、大きく成長した雄が雌に性転換するが、群れの構造や性転換のタイミングは生息地によって異なる[11]

雑食性で、動物プランクトン藻類を食べる[10]昼行性である。縄張りを持ち攻撃的である[12]。イソギンチャクが利用できない場合は岩陰に隠れる[12]。イソギンチャクとは相利共生の関係にあり、弱った魚を触手に近づける、チョウチョウウオ科のようなイソギンチャクの捕食者を追い払う、などの行動を取る[7]。また一説として、自分で食べられない大きなエサをイソギンチャクに与えて大きく育てることで、自らの利益につなげている可能性が指摘されている[13]

脚注

  1. ^ WoRMS - World Register of Marine Species - Amphiprion clarkii (Bennett, 1830)”. Marinespecies.org. 2014年1月27日閲覧。
  2. ^ 中村庸夫『魚の名前』2006年 東京書籍 ISBN 4487801168
  3. ^ 檜山義夫監修『野外観察図鑑4 魚』旺文社 1985年初版・1998年改訂版 ISBN 4010724242
  4. ^ a b 蒲原稔治著・岡村収補訂『魚』保育社 エコロン自然シリーズ 1966年初版・1996年改訂版 ISBN 4586321091
  5. ^ Lougher, Tristan (2006). What Fish?: A Buyer's Guide to Marine Fish. Interpet Publishing. p. 13. ISBN 0-7641-3256-3. "What size? Males maximum 4 in (10 cm), females maximum 5 7/8 in (15 cm)" 
  6. ^ a b Froese, Rainer and Pauly, Daniel, eds. (2006). "Amphiprion clarkii" in FishBase. April 2006 version.
  7. ^ a b c d By Padgette' Steer. “ADW: Amphiprion clarkii: INFORMATION”. Animaldiversity.ummz.umich.edu. 2014年1月27日閲覧。
  8. ^ a b SOUS LES MERS : Amphiprion clarkii - poisson-clown de Clark”. Fran.cornu.free.fr. 2014年1月27日閲覧。
  9. ^ 小林安雅『ヤマケイポケットガイド16 海辺の生き物』2000年 山と渓谷社 ISBN 4635062260
  10. ^ a b c Facts about Clark's Anemonefish (Amphiprion clarkii) - Encyclopedia of Life”. Eol.org (2013年2月14日). 2014年1月27日閲覧。
  11. ^ a b Moyer, Jack T and Nakazono, Akinobu (1978). “Protandrous Hermaphroditism, in Six Species of the Anemonefish Genus Amphiprion in Japan”. Japanese journal of Ichthyology 25 (2). http://www.wdc-jp.biz/pdf_store/isj/publication/pdf/25/252/25204.pdf. 
  12. ^ a b Lougher, Tristan (2006). What Fish?: A Buyer's Guide to Marine Fish. Interpet Publishing. p. 13. ISBN 0-7641-3256-3. "In the absence of an anemone, the fish remains close to rockwork. Otherwise, it stays with its host, wherever it is located.... Clarke's anemonefish is a belligerent species when large, attacking anything that threatens its anemone" 
  13. ^ クマノミがイソギンチャクに「エサやり」、自らの利益のため?…隠れるために大きく育てている可能性”. 読売新聞オンライン (2025年4月11日). 2025年4月11日閲覧。

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