無効な採用がなされた場合
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/09 02:19 UTC 版)
欠格条項に該当していることが見過ごされて採用されるなど、そもそもの採用行為が無効であれば、かかる者がなした行政行為は、それを行う能力を有しない者が行ったものであるから、無効であるとするのが原則である。しかしながら、相手方の信頼の保護や、行政の安定性を確保する等の観点から、これを有効なものとして取り扱うべき状況も少なくないものと考えられ、実際には個別具体的な状況に応じて判断されることになろう。 またかかる者に対して支払われた給与相当額の金銭については、当該給与を支払う法律上の理由が存在しないのであるから、民事上の不当利得返還請求を行うことができると考えられるが、その一方で、かかる者から法律上の原因なくして労務の提供を得ていることから、かかる者も同じく不当利得返還請求を行うことができることになる。したがって通常は、両者の請求は同一であり相殺され、給与以外の手当についてのみかかる者に対して返還請求をなしうるものと考えられる。
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