澄泥硯
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/10/11 09:07 UTC 版)
澄泥硯については石を原料としたとする自然石説と、泥を焼成したとする焼成硯説が存在する。清代初期頃まで作られていたとする焼成硯については、「当時の技術では焼成澄泥硯を作るための高温を出せる窯は作れなかった」として疑問が呈される場合もある。当時の製法ではこの高温が不可能であったため、焼成澄泥硯の製法書とするものにはあたかも魔術のような荒唐無稽な製造方法が述べられている。このように製法については現代でも解明されていない部分がある。うるおいを含んだ素朴さを感じさせる硯で石硯の比ではないといわれている。澄泥硯の最上のものは鱔魚黄澄泥(せんぎょこうちょうでい、ベージュ・くすんだ黄色)で、その次は緑豆砂澄泥(りょくとうしゃちょうでい、緑色・黒または青まじり)である。澄泥硯の代表種のひとつ「蝦頭紅」と呼ばれるものはその名の通り「海老を茹でるか焼いた時の海老頭の渋い赤色」である。それぞれに硯としての品質差があり、この品質差は見る者の感覚により変化する。
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