潜在的欠点
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/25 06:47 UTC 版)
「バイオマーカー (薬学)」の記事における「潜在的欠点」の解説
全てのバイオマーカーが医学的反応を完全に反映しているわけではない。使用目的によっては検査結果の妥当性を確認することが困難であったり、検証にいくつもの段階を経る必要があったりする。バイオマーカーが治療介入の成否を計るために使われるときは、そのバイオマーカーは、治療の直接的な効果を反映していなければならない。1980年代に行われた例が、バイオマーカーに頼りすぎた場合の落とし穴をよく表している。1980年中期、米国でフレカイニドとエンカイニドという2つの新薬が、心臓病の来歴を持つ患者の不整脈治療のために開発された。双方共に確かに不整脈を抑える効果を示した。しかし、効果を確認する大規模な治験は開始から1年で中止された。薬を投与された患者の死亡者数が、対照実験患者の2倍に上ったからである。フレカイニドとエンカイニドは1991年に米国でリコールを受けた。この例から、バイオマーカー特性を改善することが、必ずしも患者の生存率向上につながるとは限らないことがわかる。
※この「潜在的欠点」の解説は、「バイオマーカー (薬学)」の解説の一部です。
「潜在的欠点」を含む「バイオマーカー (薬学)」の記事については、「バイオマーカー (薬学)」の概要を参照ください。
- 潜在的欠点のページへのリンク