漢訳仏典との関係
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/13 14:18 UTC 版)
初期漢訳仏典の音訳語の特徴が、サンスクリットではなくプラークリットの一種に由来することを示しており、かつガンダーラ語に近い音韻的特徴を持っていることは1930年代にすでに指摘されていたが、肝心のガンダーラ語で書かれた仏典は19世紀末にホータン近辺で発見されたガンダーラ語法句経しかなかった。しかし近年になってガンダーラ地方から大量の仏典が発見された。 ジョン・ブラフによると、 サンスクリットの anavatapta を「阿耨達池」とするのは、ガンダーラ語の aṇuva- に由来すると考えるとよく理解される。 サンスクリットの jāmbūnada を「閻浮檀」とするが、ガンダーラ語法句経では jabodaṇa と音位転換を起こしており、ガンダーラ語に由来すると考えるとよく理解される。 また、長阿含経の音訳語はサンスクリットに由来しないが、ś ṣ s の区別は保たれており、ガンダーラ語的な特徴を示している。śramaṇa が「沙門」(沙はそり舌音 ṣa に対応)と訳されるのはガンダーラ語の ṣamaṇa に由来すると考えると理解される。
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