湯ノ岳断層
別名:湯の岳断層
福島県浜通り、いわき市内を北西から南東へ約17キロメートルにわたって横断する断層。東日本大震災の影響を受けて地層のズレ(地震断層)が出現し、調査の結果、2011年11月に「活断層である」と確認された。
湯ノ岳断層は、東京電力福島第一原子力発電所から約50キロメートル、同じく福島第二原子力発電所からも約40キロメートルと近い距離にある。
東京電力は、湯ノ岳断層の調査においては、地表面の状況などから特別考慮すべき断層ではないと判断しており、原発の耐震設計上、湯ノ岳断層を特に考慮していなかった。
関連サイト:
湯ノ岳断層に関する断層調査状況について(速報) - 東京電力
湯ノ岳断層
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/19 16:34 UTC 版)
井戸沢断層の北東には、長さ約17 kmの湯ノ岳断層(ゆのだけだんそう)という別の活断層が存在する。この断層も、福島県浜通り地震の際に出現したものである。調査によると、井戸沢断層とは活動間隔が異なり、湯ノ岳断層は1,000 - 6,000年前の間に一度活動していたという。 東京電力福島第一原子力発電所から南西に50 kmほど離れた場所に位置するこの断層は、従来の東京電力による調査では、活断層ではないと判断されていたことから、国の原発耐震指針で定められている後期更新世(約12万 - 13万年前)以降の断層活動が見られないとして、原発の耐震設計上も考慮されてはいなかった。しかし、東北地方太平洋沖地震から1か月後にいわき市で起きた地震により、この湯ノ岳断層が地表に出現したため、震災後に原子力安全・保安院が2回にわたり指示した調査の中で、東京電力は湯ノ岳断層を「耐震設計上考慮すべき断層」という見解に修正した。また、活発化のメカニズムおよび原因を解明するため、9月29日から12月上旬にかけて地盤調査が行われた。東京電力は11月21日、湯ノ岳断層が過去に活動していたことを示す痕跡があり、活断層であることが判明したとする調査結果速報を発表した。
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