涙液と層
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/06 03:45 UTC 版)
涙は、涙腺内の毛細血管から得た血液から血球を除き、液体成分のみを取り出したものである。通常の分泌量は1日平均2-3cc。涙の98%は水分で、タンパク質(アルブミンやグロブリン、後述のリゾチームなど)、リン酸塩なども含有する。一般的に弱いアルカリ性の液体である。 分泌された涙液は目の表面を通過したあと涙点に入り、涙小管・涙嚢・鼻を経て、喉から再吸収される。ヒトの場合、量が多いと頬などに溢れ出て「涙を流す」「泣いている」と呼ばれる状態になる。 涙はまばたきによって目の表面に広げられ、目の表面を保護するとともに抗原物質や異物を洗い流したり、雑菌を抑制する働きがある。 涙は、油層(油性層)、水層(水性層)、ムチン層の3層で目を保護しており、この3層の合わせた厚さは平均で約10µmである。 涙の持っている抗菌成分はリゾチームという。このリゾチームは、細菌の細胞壁(ペプチドグリカン)を分解する作用を持つ。 加齢や眼の使用頻度によって涙が蒸発しやすくなったり、分泌量が減ったりすると、ドライアイと呼ばれる状態に陥る。
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