浸透圧ストレス
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/02 16:19 UTC 版)
過剰な塩類にさらされた植物が最初に受けるのが、浸透圧によるストレス(英:osmotic stress)であると言われる。浸透圧は溶液中の溶質の数に比例し、水溶液の場合、溶媒である水は、溶質の数の多い方から、溶質の数が少ない方へと移動しようとする。淡水に比べて、植物の体内に存在する水には多くの溶質が溶け込んでいるため、周囲が淡水であれば、植物は浸透圧に従って、容易に外部から水を取り込むことができる。しかし、塩類が根周囲の水に高濃度で溶解しているほど、植物の体内に存在する水の浸透圧に近付く。さらに塩類が高濃度に溶解していると、もはや、植物の体内の水が、根周囲の水へと吸い出される方向に浸透圧が作用し、植物は水を吸うことができなくなるため、乾燥ストレスを受けた時に似た状態に陥る。こうなると植物体に水が充分に行き渡らなくなるため、一般的な経路による光合成において電子の供与体として必要な水が不足して光合成を行いにくくなる、葉が小さくなる、新しい葉が出るのが遅れる、側芽が出なくなるなどの影響が出る。
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