海洋国家戦略
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/26 08:23 UTC 版)
海洋国家はその隔離された環境から他の地域の影響が及びにくく、国内の団結力を維持し、海上交通力と制海権を握ることで、貿易によって国家の発展と存立に必要なエネルギーを取得できるとされる。強大で強固な海軍力を有し外敵を防ぎ、エネルギー供給の妨害を排除するとともに海上交通路(シーレーン)の要衝(チョークポイント)を押さえておけば領土を拡大する必要はないとされる。 海洋国家における防衛上の利点は海洋が天然の城壁の役割をし、常に外敵の脅威を受けやすい大陸国家に対して外国からの領土侵攻の危機も少ないことにある。他国の領域を通過することなく比較的自由な交易が可能であり、必要な物資や文化を導入を図ることで国家の繁栄を築いてきたのが古来からの海洋国家の戦略である。 海洋国家に求められる戦略の基本原則とは、海洋交通の要衝における戦略的な姿勢や、海軍基地の戦略的展開、国民の海洋民族性、政権の海洋戦略が重要であるとされる。主に海洋国家的な国家戦略とは国際的な関わりの中で国民的生存・繁栄を手にする生き方であるとされ、国際的な協調があって、自国の平和と繁栄が確保されるという。こうした海洋中心の戦略を海洋戦略といい、地政学的に島国であり、資源のない日本にとってそのあり方は現実的な国家安全保障を考察するにあたって非常に大きなキーワードのひとつでもある。
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