海の聖母とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > デジタル大辞泉 > 海の聖母の意味・解説 

うみのせいぼ【海の聖母】

読み方:うみのせいぼ

吉田一穂の第1詩集大正15年(1926)刊。


海の聖母

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/06/14 03:04 UTC 版)

『海の聖母』
イタリア語: Madonna del Mare
英語: Madonna of the Sea
作者サンドロ・ボッティチェッリ、またはフィリッピーノ・リッピ
製作年1475-1480年ごろ
種類板上に油彩
寸法60.5 cm × 49.5 cm (23.8 in × 19.5 in)
所蔵アカデミア美術館 (フィレンツェ)

海の聖母』(うみのせいぼ、: Madonna del Mare: Madonna of the Sea)は1475-1480年ごろに板上に油彩で制作された絵画で、 イタリア・初期ルネサンス絵画の巨匠サンドロ・ボッティチェッリ、またはフィリッピーノ・リッピに帰属される作品である[1][2][3]フィレンツェサンタ・フェリチタ聖堂英語版修道院に由来するが、ナポレオンによる同修道院の廃絶に伴い、フィレンツェの王立美術学校に移された[1]。現在はアカデミア美術館 (フィレンツェ) に所蔵されている[1][2][3]

作品

本作は、過去における修復や上塗りがあるために正確な鑑定をすることが難しくなっている[1]。1893年にウルマン (Ulmann) によりボッティチェッリに、ライトボウン (Lightbown) によりフィリッピーノ・リッピに帰属されてきた[1][3]が、帰属は確かなものではない。また、ファイー (Fahy, 1976年) のみはヤコポ・デル・セライオ英語版の名を提示している。2003年には、ボスコヴィッツ (Boskovitz) があたらめて作品をボッティチェッリに帰属している。なお、この作品は近年フィリッピーノ・リッピの作品カタログからは外されている[1]

作品の名称は、背景の窓から見える一面の海景にちなんでいる[1][2]。憂鬱そうで物思いに耽る聖母マリアが膝上に幼子イエス・キリストを抱いており[1]、ボッティチェッリの絵画に典型的な透明なヴェールを頭部に被り、通常の赤い衣服の上に肩の部分に彗星が刺繍された青いマントを羽織っている。幼子は開いたザクロを持っているが、左手からいくつかの麦粒が落ちている。ザクロは聖母の受胎能力と女王としての地位を象徴し、その実の赤い色はキリスト教図像学においてキリストの受難の前兆である[1]。海との関係は、聖母の称号の1つである「ステッラ・マリス (Stella maris)」にも依拠している。

本作にはボッティチェッリの師であるフィリッポ・リッピを想起させる線描が明らかであり、それがアンドレア・デル・ヴェロッキオの作品にもとづいた力強い塑像性によりを成熟したものとなっている。本作の制作時期とされる1475-1480年ごろ、ボッティチェッリはフィリッポ・リッピの教えから離れ、ヴェロッキオの影響を受けながら、個性的な絵画様式を形成していく途上にあった[1]

脚注

  1. ^ a b c d e f g h i j 『ウフィツィ美術館展 黄金のルネサンス ボッティチェリからブロンヅィーノまで』、2014年、72頁。
  2. ^ a b c 『アカデミア美術館 公認ガイドブック』、1998年、54頁。
  3. ^ a b c Madonna del mare”. Catalogo generale dei Beni Culturaliサイト (イタリア語). 2024年6月14日閲覧。

参考文献

外部リンク



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「海の聖母」の関連用語

海の聖母のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



海の聖母のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの海の聖母 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS