チェステッロの受胎告知とは? わかりやすく解説

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チェステッロの受胎告知

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/07/05 14:28 UTC 版)

『受胎告知』
作者 サンドロ・ボッティチェッリ
製作年 1489年
寸法 150 cm × 156 cm (59 in × 61 in)
所蔵 ウフィツィ美術館、フィレンツェ

チェステッロの受胎告知』(チェステッロのじゅたいこくち、: Annunciazione di Cestello)は、サンドロ・ボッティチェッリが1489年に制作したテンペラによる板絵で、フィレンツェウフィツィ美術館に所蔵されている。銀行家である後援者のベネデット・ディ・セル・フランチェスコ・グアルディが、現在サンタ・マリア・マッダレーナ・ディ・パッツィとして知られているフィレンツェのチェステッロ修道院の教会を飾るためにボッティチェッリに委嘱した[1][2]

概要

絵画の主題は受胎告知であり、大天使ガブリエル聖母マリアを訪ねて、聖母がキリストを産むために神によって選ばれたことを彼女に「告知」している(したがって「受胎告知」となる)。もし聖母が天使の告知に対して否と言ったら人類の贖いはないが、聖母は告知を受け入れる。元の額縁の絵の下には、ルカによる福音書第1章35節からのラテン語の言葉「聖霊があなたに臨み、最高の力があなたを覆い隠します。」がある。

受胎告知の主題は一般的であり、多くの芸術家によって描かれている。ボッティチェッリも何度かこの主題を取り上げており、サン・マルティーノ・アッラ・スカーラ病院のために1481年に描かれたフレスコ画の『受胎告知』(ウフィツィ美術館)、メトロポリタン美術館にある1485年の『受胎告知』[3]、そしてケルビングローブ美術館・博物館に所蔵されている1495 - 1500年の『受胎告知』などがある[4]。『チェステッロの受胎告知』は簡素な室内に設定され、聖母も大きく身をのけぞらせており、他の『受胎告知』とは異なっている。大きな身振りと硬直したポーズは、1490年代のボッティチェッリの特徴となる[5]

ギャラリー

脚注

  1. ^ Annunciation”. Virtual Uffizi Gallery. 2015年2月27日閲覧。
  2. ^ Montresor, Carlo (2010). Botticelli. ATS Italia 
  3. ^ The Annunciation”. The Collection Online. The Metropolitan Museum of Art. 2015年3月3日閲覧。
  4. ^ Gebhart, Emile; Charles, Victoria (2012). Botticelli. Parkstone International. ISBN 1780429959 
  5. ^ 『フィレンツェ・ルネサンス4 再生への挑戦』日本放送出版、1991年3月、63頁。 ISBN 4-14-008762-5 



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