活性領域の設計
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/09/17 07:06 UTC 版)
「量子カスケードレーザー」の記事における「活性領域の設計」の解説
散乱率は、サブバンドの電子波動関数を決定する超格子における層の厚さを適切に設計することで調整される。2つのサブバンド間の散乱率はサブバンド間の波動関数とエネルギー間隔の重なりに大きく依存する。図は3量子井戸(3QW)QCL活性領域および注入器における波動関数を示す。 W 32 {\displaystyle W_{32}} を減少させるために、上部および下部レーザー準位の重複を低減する。これは上部レーザー準位が主に3QW活性領域の左側井戸に局在するように層の厚さを設計することによりしばしば達成されるが、より低いレーザー準位波動関数は主に中央および右側井戸に存在するようになる。これは対角遷移として知られている。垂直遷移は上部レーザー準位が主に中央・右側井戸に局在するものである。これは重複を増加させ、したがって反転分布を減少させる W 32 {\displaystyle W_{32}} を増加させるが、これは放射遷移の強度を増加させ結果的に利得が増加する。 W 21 {\displaystyle W_{21}} を増加させるために、より低いレーザー準位および接地準位の波動関数は良い重複を有し、 W 21 {\displaystyle W_{21}} さらに増加させるためにはサブバンド間のエネルギー間隔は縦方向光学(LO)フォノンエネルギーと等しくし共鳴LOフォノン-電子散乱がより低いレーザー準位を急速に減少することができるように設計される。
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