泛水装置
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/28 15:45 UTC 版)
舟艇母船型の特種船の最大の特色は、船内に設けられた全通式の舟艇格納庫と、船尾の泛水(へんすい)装置である。格納庫には主力上陸用舟艇であった大発を約30隻収容できる。格納庫床にはローラー式の軌条が敷かれ、その上に置いた上陸用舟艇は天井のワイヤーで牽引して移動でき、兵員や物資を搭載したまま船尾のハッチから連続発進させることができた。その能力は構造的には異なるものの、後世のウェルドック(ドック型揚陸艦)に相当する優秀なものであった。ただし、喫水線近くに全通式の格納庫を有する構造は、浸水に対して脆弱で弱点でもあった。 このほか、通常の貨物船と同じデリックを利用した泛水も可能であった。装甲艇などの重量級の小型艇も運用できるように、強力なデリックを装備していた。 「神州丸」では格納庫側面の舷側にもハッチとクレーンが設置されていたが、2番船以降では廃止されている。
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