沈船の保護
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/06 16:04 UTC 版)
「エストニア (クルーズフェリー)」の記事における「沈船の保護」の解説
沈没事故の処理が一段落すると、犠牲者の関係者は遺体を回収して埋葬することを求めるようになった。同時に船体を浮揚し、事故の詳細を明らかとすることも求められた。技術的な困難さと、海底から腐敗した遺体を回収することの倫理的問題点が指摘され、加えてサルベージ作業による財政的な負担も懸念された。スウェーデン政府は、沈没地点をコンクリートで覆い埋葬する案を提案した。その準備段階として、数千トンの礫が現場海域に沈められた。 スウェーデン、フィンランド、エストニア、ラトビア、ポーランド、デンマーク、ロシア、イギリスによってなされた1995年のエストニア合意(Estonia Agreement 1995)は、事故地点を聖域化し、各国民が沈船に接近することを禁ずるものであった。これは合意に参加しなかった国を拘束できるものでは無かったが、スウェーデン海軍は少なくとも2回の不法な潜水調査を明らかにしている。現場海域は、フィンランド海軍によってレーダーを用いて監視されている。2006年5月8日には、エストニアとスウェーデンの犠牲者の関係者が、合意に参加した各国へ潜水禁止の停止を請願した。これは、新たな証拠を求めて調査する目的であるとするものであり、同時に独立した専門家による透明性のある調査も求めていた。
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