江戸時代における和刻本
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/01 17:36 UTC 版)
江戸時代初期、読書人口は爆発的に増加し、安土桃山時代に広まった活字版では印刷が追いつかなくなった。そのため従来の整版が重宝されるようになり、活字版は18世紀末頃まで断絶した。 江戸時代は学問が庶民にまで広がり、漢学を学ぶために和刻本が大量に出版された。江戸時代以前の学問とはすなわち漢学を指した。漢学を学ぶためにはまず中国で出版された漢籍(唐本)を大量に輸入しなければならなかったが、輸入書籍は高価であった。そのため廉価に漢籍を普及させるために唐本を覆刻することになった。和刻本の発刊は学問の接受と発展に大いに貢献し、漢詩、とりわけ唐詩は庶民に至るまで受容された。寛永期以後の和刻本では返り点・読み仮名・送り仮名などの訓点を付して印刷され、和刻本の特徴として指摘し得る。江戸時代を通じて、民間では須原屋や蔦屋など、様々な書店が活躍した。
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