歯笛
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/01 04:35 UTC 版)
口唇だけではなく歯と舌で音を調整する歯笛(はぶえ)という吹き方がある。 演奏方法の基本は先のものと大差ないがリードに上顎または下顎の何れかの歯並びを使い、口腔で共鳴させる。原理的には、風で電線が唸ることに似ている。 なお一般に歯笛と呼ばれるものには2種類あり、舌を浮かせ演奏する高音域がでるタイプのものと舌を下前歯につけ演奏する中~高音域のタイプがある。音色はかなり似ているが、空気の通り道やリードとしての歯の使用方法が異なる。前者はより指笛(後述)に近い原理で、後者は口笛に近い原理である。歯笛の方が通常の口笛に比べて高音域を容易に出すことができ、特に前者の歯笛はその音もクリアで容易に大音量が出せるが息を多量に使用するため細かな音色を長く息継ぎをせずに出し続けることは難しい。また、唇を使わないため表情を自由に変えることができる。また疾病などの後遺症により、先の演奏方法が困難な場合の代用としても使用される。年齢層に拘らず演奏できるため主にコミュニケーション手段として使われ牧羊犬などのコントロール、鳥寄せなどには先の演奏方法と組み合わせて使われる。 また、海女などが海面に出た際に息を整える際にも歯笛で音を出す。海女笛(あまぶえ)とも呼ばれ、この場合は音色などの曲目的ではなく息を整える、位置を知らせる目的で使用される。高音域でもあるため数百メートル先からも聞く事ができる。 尚、上顎、下顎を閉じた状態でも音を出すことはできるが小音量で歯を清潔にしておかないと歯間の匂いが周囲に出るため好まれる演奏方法ではない。
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