欧州委員会報告書(2003年)
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「共通農業政策」の記事における「欧州委員会報告書(2003年)」の解説
ベルギーの経済学者アンドレ・サピールを長とする専門家グループが取りまとめた報告書において、EUの予算構造は「歴史的遺物」となっているとうたわれた。この報告書では富の創造とEUの結束の増進を企図した施策に対する歳出の方向性を変えて、EUの政策を再検討するよう求めている。EU予算の大部分が農業政策に費やされ、予算全体の拡大の見込みもあまりないことから、政策の再検討とはすなわち共通農業政策関連予算の削減を意味するものである。確かに本報告書では共通農業政策についてというよりは、もっぱらEUにとってより有益な施策の転換について議論されているが、同時に農家に対する支援策については加盟国が独自に実施していくほうがより効果的であるともしている。 しかし本報告書の趣旨はほとんど無視された。共通農業政策関連支出はEUにおいて当然の事実として扱われ続け、またフランスは共通農業政策関連支出について、2012年まで変更がなされないような取り決めで合意がまとまるよう努めたのである。これについてはフランスが前もってドイツと合意していたために実現したものである。またこの合意にあたってはイギリスが対英払戻措置にかんする自らの立場を守り、また農業輸出国の参入障壁を低くするべきであるという主張が盛り込まれている。
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