横断研究の欠点
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/13 09:44 UTC 版)
日常的なデータは、特定の質問に答えるように設計されていない場合がある。 日常的に収集されたデータでは、どの変数が原因でどの変数が結果なのか、通常は記述されていない。元々他の目的で収集されたデータを用いた横断的研究では、交絡因子(推定される原因と結果の関係に影響を与える他の変数)に関するデータを含める事が出来ないケースが多い。例えば、現在のアルコール摂取量と肝硬変に関するデータのみでは、過去のアルコール摂取量や他の原因の役割を検討する事が出来ない。横断的研究は、想起バイアスの影響を非常に受けやすい。 殆どの症例対照研究では、目的の仮説を検証できるように特別に設計されたデータフィールドを含むデータを全参加者について収集している。しかし、強い個人的感情が関与する可能性のある問題では、特定の質問がバイアスの原因となる場合がある。例えば、個人的な罪悪感を軽減したいと考えている人が、過去のアルコール摂取量を誤って報告することがある。このようなバイアスは、日常的に収集された統計では少ないかも知れず、地域毎のアルコールの課税記録など、第三者によって観察されている場合には効果的に排除されるかも知れない。
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