構造緩和
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/13 09:57 UTC 版)
原子が平衡状態から非平衡状態に遷移するのにかかる平均時間を緩和時間と呼び、マクスウェルの気体分子運動論で最初に言及された。最も単純化した単原子分子の液体の場合、構造緩和 (structural relaxation) とは、液体に圧力がかかってより高密度でコンパクトな分子配置になる場合、あるいは逆に圧力が弱まって低密度な分子配置に変化する場合といった局所構造の秩序の度合いが変化することを指す。相互配向の転位と再配分に関わるため、体積(あるいは圧力)が変化し始めてから局所構造が変化するまで一般に遅れが存在する。そういったプロセスには一定の賦活エネルギーが必要であり、有限の速度でしか進行しない。過冷却液体がガラス転移点付近で不可逆な塑性変形による粘性の緩和を起こすのもこれが原因である。
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