東宮宣旨
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/07/09 09:33 UTC 版)
東宮宣旨は、その名の通り東宮(皇太子)に仕える宣旨である。出自は、中納言など上級貴族である公卿の娘の場合もない訳ではないが、多くの場合は弁官や受領などの中級貴族の娘が務めた。幼少期の乳母のうちの一人から昇格する場合が多い。 東宮宣旨は、乳母とともに東宮配下の女房集団を統率した。よほどの若年でない限り、乳母よりも上位に置かれた。「宣旨」(貴人の口頭命令)の由来の通り、東宮と他の貴人とを取り次ぐ渉外役も担当した。東宮の行啓にも伺候(側仕え)した。 東宮が天皇として即位した後には、典侍となる場合が多く、長年の功績から従三位に叙されることもあった。 なお、初代東宮宣旨である藤原薬子は、主君である安殿親王(平城天皇)の寵姫だったことが知られるが、これはかなり例外的な事例で、少なくとも摂関期には東宮の愛妾になった東宮宣旨はいないようである。
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