条文解釈の議論
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/11 08:06 UTC 版)
井上毅は旧憲法施行のあとは、条文解釈について御雇い外国人の法律顧問らから助言を受けていたとされている。1891年には、「憲法上の大権(統治大権、官制大権、任免大権、統帥大権、編制大権、外交大権、戒厳大権、非常大権)に基づく既定の歳出、及び法律の結果により、または法律上の政府の義務に関する歳出は、帝国議会は、政府の同意なくしては、これを排除しまたは削減することができない」(憲法67条)の解釈について、ロエスエルに回答を求めている。 .mw-parser-output .templatequote{overflow:hidden;margin:1em 0;padding:0 40px}.mw-parser-output .templatequote .templatequotecite{line-height:1.5em;text-align:left;padding-left:1.6em;margin-top:0}貴下は先に、 議会がもし、憲法第67条の明文があるにも拘らず政府の同意を経ずして、該条に列挙した費額を排除・削減したときは、その議決は効力のないものとし、政府は原案を執行することができる。との旨を答えられた。 しかるに、議決にはすでに効力がないとするのであれば、それは未だ一度も議決を経ていないということである。議決を経ない予算の款項は予算の草案に過ぎず、政府は予算の草案をもって、成立した(言い換えれば協賛を得た)予算としてこれを執行することができる、というのは法理において、やや穏当を欠くに似たものである。さらにご回答を煩わす。 二十四年一月 井上 ロエスレル博士 ロエスレルは、帝国議会に予算の決定権はないという旨とその理由を回答した。
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