本作における「坊ちゃん(五分刈り)」
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「うらなり」の記事における「本作における「坊ちゃん(五分刈り)」」の解説
本作において「坊ちゃん」は、うらなりや山嵐たちの人生への無責任な闖入者として違和感をもって描かれる。彼が自分の事を「うらなりのようだ。」と言っていたのを思い出したうらなりは、本名をどうしても思い出せない事から、「向こうが自分をそう呼んでいたのならこちらがあだ名を付けても構わないだろう。」と、「坊ちゃん」の事をその風貌から「五分刈り」と呼びながら松山時代を回想する。うらなりが「五分刈り」の行動に時には振り回され、閉口したのは確かだが、その一方で自身に対して好意を持っている事や、一貫して自分に対して同情的だった事も理解はしているため、嫌っているというわけでもない複雑な感情を抱いている事が伺える。堀田(山嵐)の口から、教頭や「吉川(野だいこ)」達へ行った制裁が、それだけならドラマチックで良いところで、五分刈りが袂に入れておいた卵を吉川の顔に叩きつけた事で、地元で件の事件を語る際に「卵事件」、堀田と五分刈りの二人を「卵の二人」と呼ぶなど、締まらない「喜劇」に変えてしまったと語られ、これにはうらなりも思わず笑い出した。堀田はうらなりとの話の中、五分刈りの事を終始「あいつ」と呼び、吉川が「坊ちゃん」と呼んだ事については「当人は怒る」と認めながらも「満更当たってなくもない」と評し、また作中での五分刈りの行動について「自分が主人公と思っている」故の行動とも評している。 堀田の口から、「坊ちゃん」本編後の「街鉄の技師になった」という噂が語られるが、その後のはっきりした消息は堀田も知らず、「そもそも関東大震災を生き延びたのかどうか。」と、生存自体も危惧する発言をしている。
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