未探索の領域
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/05 07:34 UTC 版)
これまでに誰も観測したことがないような現象をはじめて観測しようとする場合とは、たとえば素粒子物理学におけるエネルギーフロンティアの探求や宇宙物理学における深宇宙の探索などが挙げられる。物理学のたいていの分野に未探索な領域は残されている。 これまで誰も観測したことのない領域であるから、実際にどのような現象が観測されるかはやってみるまでわからないが、もちろんむやみやたらに実験をすればよいというものではない。たいていの場合は先にある程度の理論的予測があってそれを検証するために行われる。なぜならば、実験を行うには測ろうとする物理量と必要な精度についての具体的なプランが必要だからである。また、場合によっては巨額の資金を必要とするので、無意味な実験を行うわけには行かないという事情もある。ここでひとつ注意しなければならないのは、理論的予測から存在が予言されていたものを実験によって発見できなかった場合、その実験が失敗とは限らないということである。これはすなわちもとの理論自体に何らかの間違いがあった可能性を示唆しており、そのことを示すこと自身に物理学上の意義があるからである。
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