期待インフレーション率
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/12/29 04:59 UTC 版)
「インフレ連動債」の記事における「期待インフレーション率」の解説
インフレ連動債の市場価格と、同一市場における固定金利債(通常の債券)の市場価格とを比較することで、金融市場がどの程度のインフレ率を予測しているのかが分かる、とされている。 通常の長期債券の利率(長期金利)は、実質的に利息が増える分とインフレのリスクヘッジ分に分けられる。インフレ連動債の場合、元本と利率の両方がインフレによって増えるために、利率は「実質的に利息が増える分」のみになる。したがって、この二種類の債券利率を比較することで市場の期待インフレーション率が分かる。 例えば、10年後1万円が返済される長期債が6139円で取引されていたとする。この場合、名目金利は年率は5%となる。一方で、10年後の返済額が「インフレ調整現在価値で1万円」であるインフレ連動債が7441円で取引されていたとする。この場合、実質金利は年率3%となる。この5%と3%の差は2%(実際は除算なので1.94%だが、減算でも近似値が出る)となる。つまり、金融市場は10年間の間に年平均2%のインフレが起きると想定していることになる。 このようにして、金融市場から得られる情報により、インフレ率に対応するための適切な金融政策を採用できる。 「インフレーション#ブレークイーブン・インフレーション率」も参照
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