有羊膜類の頸椎
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/27 09:06 UTC 版)
有羊膜類では、頸椎は胸郭の形成に参加しない点で胸椎あるいは胴椎から区別される。有羊膜類の頸椎は両生類よりも数が多く、柔軟性が高い。また第一頸椎(環椎)と第二頸椎(軸椎)が獲得されたのもこの有羊膜類の段階である。環椎は椎体が欠損するため環状構造を示し、頭側に1つあるいは2つの深い上関節窩を持ち、爬虫類では1つ、哺乳類では2つの後頭顆と関節する。この機能は両生類に見られるものと同様である。ヘビ以外の有羊膜類では、環椎の椎体は軸椎の歯突起となる。歯突起は前側に突出して環椎を貫通し、頭部と環椎の回転軸として機能する。 非鳥類型恐竜の多くは、曲竜類やケラトプス科を除き、鳥類と同様にS字型に湾曲した頸部を持つ。長い頸部を持つ竜脚類は頸椎数が多く、恐竜の中でも柔軟性が高かったと見られるが、現生鳥類ほど高い可動性を持つ適応は示さなかった。鳥類の頸椎は哺乳類と比べて多く、例えばハトは12個、ニワトリとアヒルは14個、ガチョウは17個の頸椎を持つ。 ナマケモノ・オオアリクイ・マナティーなど一部の例外を除き、ヒトやキリンやクジラなどほとんどの哺乳類の頸椎は7つの骨で構成されている。第三頸椎から第七頸椎までは似た形をしているが下にある椎体ほど大きく、特に第七頸椎は長く大きな棘突起を持ち、体表から容易に観察したり触れることができるため隆椎とも呼ばれる。頸椎の中で最も運動が起こりやすいのは第一頸椎と第二頸椎の間であり、これを環軸関節と呼ぶ。
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