星に対しての三々
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/30 08:00 UTC 版)
現代囲碁の布石の花形である星の最大の弱点は三々であり、単独で入られた場合は下図のように生きられてしまう。 上記は黒の星に対して白が他に石がない単独の状態から三々入りした場合の定石である。周囲にカカリがある場合やヒラキがある場合など、状況に応じて三々入りが有利か不利かは変動する。そのため「いつ三々入りするか」「いつ三々入りされないように守るか」が星の布石の重要なポイントとされてきた。 以前は、布石の初期段階で星にすぐに三々入りするのは不利であると考えられてきた。しかし2016年に登場した人工知能AlphaGoは、極めて早い段階での三々入りを活用してトップ棋士に勝利を収め、評価が大きく変わることとなった。AlphaGoは、敵を固めることを避けて上図の白8~10のハネツギを保留するケースが多い。実利のみならず、根拠を奪って黒を攻めることを目指している。 こうした発想を人間の棋士も取り入れており、2010年代・2020年代の日本のトップ棋士である井山裕太をはじめ多くの棋士が早期の三々入りを打つようになった。この手法は「ダイレクト三々」と呼ばれ、ここから多くの定石が生まれている。 星からシマリを打ってある場合にも、三々入りが成立するケースがある。たとえば星から大ゲイマにシマリがある場合には、三々に打ち込めば単独で生きられる。小ゲイマジマリの場合には、部分的にコウになる。 星から大ゲイマジマリの場合 星から小ゲイマジマリの場合
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