新田嘉一とは? わかりやすく解説

新田嘉一

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/01/25 05:01 UTC 版)

にった かいち
新田 嘉一
生誕 (1933-10-06) 1933年10月6日(89歳)
山形県平田町楢橋
出身校山形県藤島農業高等学校
職業実業家、学校法人理事長
配偶者あり
子供新田嘉七
栄誉平田町名誉町民、紺綬褒章、内閣総理大臣褒状、環日本海新潟賞、山形県産業賞、河北文化賞

新田 嘉一(にった かいち、1933年昭和8年〉10月6日 - )は、日本実業家平田牧場会長東北公益文科大学理事長自由民主党酒田支部最高顧問、平田町名誉町民(現:酒田市名誉市民)。

人物

山形県平田町楢橋(現:酒田市)において16代にわたり続く地主に生まれる[1]

父である嘉助は名士で通るも、農業より政治に現を抜かすことが多かったという[2]

山形県立藤島農業高校を卒業後、大学進学を希望するも父から「農家に学は必要ない」と断言され、進学を断念。

戦後の高度経済成長において、和食中心から洋食へ食文化が変遷し、庄内地方においては離農し都会に出る人々が増えつつある現状を鑑みた新田は、田畑を処分した上で就労の途につく方が暮らしも楽になるのではないかと父に進言するも聞き入れられなかった。

これをきっかけに逆鱗に触れた新田は、勘当同然の身に陥る。

後日、祖母の取り成しにより父との決別は回避されたが、新田は田畑の耕作は弟に任せて実質裸一貫、豚2頭で養豚業を起業する[2]

開始当初は、昼夜関係なく豚舎に泊まり込み、手探りで飼育に当たった。

養豚業で得た人脈やノウハウにより、鶴岡生協(現:生活協同組合共立社)との取引を開始する。

これを契機に全国の生協グループ各店への商品納入、全国展開していたGMSダイエーとの取引も開始して1970年代には事業が軌道にのりはじめた。

しかしその後、生産量の9割を出荷していたダイエーとの価格引下げ交渉の決裂による同社との取引停止、時代に先がけて無添加や無着色によるハムやウィンナーの販売を手がけるも消費者に受け入れられず苦戦を強いられる。

のち、欧州視察の際に知見を得たランドレース種と、アメリカから輸入したデュロック種鹿児島の黒豚であるバークシャー種を交配し、日本の豚としては最高値で取引される平牧三元豚を誕生させ、ヒラボクブランドを一代で確立した[1][3]

1999年(平成11年)、設立以来務めてきた社長職を子息の嘉七にまかせ、会長に退く。

新田は対外活動に軸足を移した[4]

エピソード

市街地が酒田大火で被災した際、運営資金が枯渇していた地元の商工会議所に私財を提供したほか、庄内空港開設の際には前田巌らと共に旗振り役を務めた。

この他に公設民営による東北公益文科大学開学に尽力するなど、郷土である庄内地方・酒田地域の発展において挺身する姿を評価する者も少なくないという[3]

馬主

馬主としても著名であり、オークス優勝馬のチョウカイキャロルを所有していた。現在、冠名として、「ヒラボク」を使用している[5]

冠名が「チョウカイ」だった時代、馬名に「チョウカイテイオー」と登録を申請したが、「(1991年の日本ダービー優勝馬の)トウカイテイオーと紛らわしい」として却下されたというエピソードがある(結局「チョウカイライジン」で馬名登録が認められた)[要出典]

略歴

受賞歴

  • 紺綬褒章
  • 内閣総理大臣褒状
  • 環日本海新潟賞
  • 山形県産業賞 (1990年)
  • 河北文化賞 (2014年度)[6][7]

テレビ出演

著書

関連書籍

脚注

  1. ^ a b “起・業・人 流通からの値下げ圧力に屈せず「肉質守る」平田牧場会長 新田嘉一”. ダイヤモンドオンライン. (2009年2月20日). http://diamond.jp/articles/-/6788 2013年12月1日閲覧。 
  2. ^ a b 「平田牧場 新田嘉一--絶対にあきらめない情熱が生んだ「日本一の三元豚」山村 基毅」『月刊 潮』 2010年10月号
  3. ^ a b 『三元豚に賭けた男 新田嘉一 : 平田牧場の43年』
  4. ^ 「ひと劇場 新田嘉七氏「平田牧場社長」」『日経ビジネス』 2009年4月6日号
  5. ^ 馬主 新田嘉一”. netkeiba.com. 2013年12月1日閲覧。
  6. ^ “<河北文化賞>贈呈式 開いた道、研さん誓う”. 河北新報. (2015年1月18日). http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201501/20150118_15027.html 2015年6月11日閲覧。 
  7. ^ “河北文化賞・新田さん 酒田で祝賀会”. 河北新報. (2015年6月9日). http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201506/20150609_55031.html 2015年6月11日閲覧。 




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