ニューダイナマイト打線
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ニューダイナマイト打線(ニューダイナマイトだせん)、新ダイナマイト打線[1]は、1985年にセ・リーグ優勝、日本一を達成し、豪打を振るった阪神タイガースの強力打線の愛称。
当時の監督は吉田義男。クリーンナップの成績から「3割30本打線」とも評される。
概要
1985年4月のランディ・バース、掛布雅之、岡田彰布の「バックスクリーン3連発」に代表される阪神の強力打線であるが、この「ニューダイナマイト打線」とは、1940年代後半のタイガース打線の名称「ダイナマイト打線」に因んでいる[1]。
1番に足も速いがクリーンナップ並の長打力を持つ真弓明信を固定したところ、1番打者であるにもかかわらず34本塁打、84打点をマーク。この年、真弓、岡田は生涯最高の好成績を残している。一方で対大洋戦での本塁突入時に元同僚の若菜嘉晴との交錯で怪我で約1ヶ月間戦線を離脱した。
特徴として、レギュラーメンバーがシーズン中ほとんど固定であったことが挙げられる。絶対的レギュラーでなかったのは2番・センターと8番・キャッチャーで、2番は北村照文、吉竹春樹、弘田澄男の併用。8番は木戸克彦(レギュラー)、山川猛(第2捕手)、嶋田宗彦(第3捕手)であったが、その他の選手はほとんど変えられることは無かった(バースの休養日には長崎啓二が3番を打った)。また、打順の並びもほとんど変えられなかった。1985年の日本シリーズでは弘田は2番・指名打者で出場し、第4戦からは不調の佐野に代わって長崎が6番・左翼手として出場した。
豪打ばかりが目に付くものの、1985年の阪神はリーグ1位の141犠打を記録するなど小技にも長けた。
打順 | 守備 | 選手 | 打席 | 打率 | 本塁打 | 打点 | 盗塁 | 出塁率 | 長打率 | OPS | 備考 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 右 | 真弓明信 | 右 | .322 | 34 | 84 | 8 | .392 | .600 | .991 | ベストナイン(外) | |
2 | 中 | 北村照文 | 右 | .262 | 3 | 19 | 21 | .339 | .352 | .691 | 吉竹、弘田と併用 | |
3 | 一 | R.バース | 左 | .350 | 54 | 134 | 1 | .428 | .718 | 1.146 | シーズンMVP、三冠王、ベストナイン(一) | |
4 | 三 | 掛布雅之 | 左 | .300 | 40 | 108 | 3 | .415 | .603 | 1.017 | ベストナイン(三) | |
5 | 二 | 岡田彰布 | 右 | .342 | 35 | 101 | 7 | .421 | .636 | 1.057 | ベストナイン(二) | |
6 | 左 | 佐野仙好 | 右 | .288 | 13 | 60 | 1 | .330 | .445 | .775 | ||
7 | 遊 | 平田勝男 | 右 | .261 | 7 | 53 | 6 | .307 | .361 | .668 | ||
8 | 捕 | 木戸克彦 | 右 | .241 | 13 | 32 | 0 | .335 | .397 | .732 | ||
9 | 投 |
守備 | 選手 | 打席 | 打率 | 本塁打 | 打点 | 盗塁 | 出塁率 | 長打率 | OPS | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
捕 | 山川猛 | 右 | .213 | 4 | 10 | 0 | .276 | .413 | .688 | 第2捕手 |
捕 | 嶋田宗彦 | 右 | .250 | 1 | 6 | 0 | .328 | .367 | .695 | 第3捕手 |
一 | 渡真利克則 | 右 | .258 | 0 | 0 | 1 | .303 | .290 | .593 | |
二 | 永尾泰憲 | 左 | .327 | 0 | 4 | 0 | .417 | .408 | .825 | チーム代打起用数2位(41回)[2] |
遊 | 和田豊 | 右 | .286 | 0 | 2 | 0 | .352 | .286 | .638 | |
左 | 長崎啓二 | 左 | .283 | 6 | 25 | 0 | .339 | .509 | .849 | チーム代打起用数1位(44回)[2] |
中 | 弘田澄男 | 右 | .296 | 5 | 22 | 2 | .354 | .399 | .753 | 北村、吉竹と併用 |
中 | 吉竹春樹 | 左 | .247 | 2 | 16 | 7 | .300 | .360 | .660 | 北村、弘田と併用 |
外 | 川藤幸三 | 右 | .179 | 0 | 6 | 0 | .258 | .214 | .472 | チーム代打起用数3位(31回)[2] |
※太字はリーグトップ
脚注
- ^ a b 球史を彩った魅惑の強力打線『週刊ベースボール』2011年9月12日号、ベースボール・マガジン社、2011年、雑誌20442-9/12, 30-31頁。
- ^ a b c “阪神では“バースのおまけ”(?)で解雇の危機も……85年の優勝を支えた代打の切り札とは【プロ野球はみだし録】”. 週刊ベースボールONLINE (2021年6月7日). 2025年2月24日閲覧。
- ^ https://www.baseball-reference.com/register/league.cgi?id=bc6a038a
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